国産各メーカーは自社の先進装備に名称を付けてその技術の高さをアピールしています。
日産セレナはプロパイロットが広く知られています。
国産他社では
トヨタセーフティセンス
ホンダセンシング
スバルアイサイト
等が有名です。
このような名称の装備はどれも似たようなものだと思われがちですが、実はかなり異なります。
そこで今回は、日産セレナに採用されている自動運転システムのプロパイロット、ホンダセンシングやスバルアイサイト等の総合安全装備の違いについて解説します。
目次
日産セレナのプロパイロットとは?
まず日産セレナのプロパイロットですが、このプロパイロットは自動運転システムです。
自動運転システムは古くからクルーズコントロールというシステムが各メーカーで採用されています。
これは高速道路等の一定巡航で指定した速度に設定すれば、アクセルを踏むことなく自動的に速度をキープして走るシステムです。
巡航速度の上下操作はボタンで可能です。
ただ高速巡航でも前走車に追いついたり、割り込み車両が来た場合は減速する必要があります。
クルーズコントロールはブレーキを踏んだ瞬間に解除され、通常の運転操作に戻ります。
昨今のクルーズコントロールは自動ブレーキ技術を流用して、前走車に追いついた際は自動ブレーキで減速する機能が備わっているものが主流です。
それをさらに進化させたのが日産プロパイロットです。
プロパイロットはアクセルとブレーキの自動操作だけでなく、ステアリングまで自動操作します。
日産は古くから走行車線を認識して、ドライバーに車線をキープさせ安全運転を促す技術に積極的でした。
その車線認識技術を進化させ、走行車線をキープするステアリング操作まで自動化したのがプロパイロットです。
これを実際に使うと、高速巡航がとても快適になります。
さて、そのプロパイロットが更に進化したのがプロパイロット2.0ですが、どのようなものなのでしょうか?
日産プロパイロット2.0とは?
日産のプロパイロットは好評で、多くのユーザーが使用しています。
実際に使うと、とても便利です。
そしてそれを進化させたのが、2019年10月にマイナーチェンジしたスカイラインに採用されたプロパイロット2.0です。
プロパイロット2.0はさらに便利になっています。
プロパイロットを使用出来るのは、高速道路及び自動車専用有料道路で、高速道路の単一車線を巡航し、ほぼ自動運転になります。
これがプロパイロット2.0になると、ナビゲーションと連動します。
ナビゲーションに目的地を設定して、出発するとしますね。
高速道路までの一般道は通常の運転をします。
高速道路に入ったら、プロパイロット2.0のスイッチを押します。
従来のプロパイロットは単一車線のみを検地した巡航でしたが、プロパイロット2.0は複数車線を検地します。
レーンチェンジの際は簡単な操作のみで自動でレーンチェンジを行います。
さらに遅い前行車がいる場合は、自動でレーンチェンジして追い越し加速も可能です。
もっとも大きなハイライトは、単一車線巡航時はステアリングから手を放したハンズオフ運転が可能になっています。
日産以外のメーカーでもプロパイロットに近いシステムは存在します。
クルーズコントロールを進化させ、ある程度の加速及び減速が可能で、レーンキープのステアリング補助操作をするシステムもあります。
ですがステアリングから完全に手を離した自動運転が可能なシステムは、国産では日産のプロパイロット2.0のみです。
一般道では使えず高速道路限定、しかもナビで目的地設定をした場合という条件がありますが、それでも国産車の自動運転技術は確実に進化しています。

それではスバルのアイサイトを見てみたいと思います。
スバルのアイサイトとは?
自動車メーカーの先進装備として真っ先に思い浮かべるのが、スバルのアイサイトという方も多いでしょう。
日産のプロパイロットと比較して、どちらが優れているのか気になる方も少なくないかと思います。
ですがこのふたつは、直接比較出来ないシステムになっています。
それは日産のプロパイロットは自動運転を目指したシステム対しスバルアイサイトは、自動ブレーキを中心とした総合安全装備の名称です。
アイサイトの内容は、
・プリクラッシュブレーキ
・後退時ブレーキアシスト
・AT誤発進抑制制御
・ツーリングアシスト
・全車速追従機能付クルーズコントロール
・アクティブレーンキープ
・警報お知らせ機能
・アイサイトセイフティプラス
・スバルリヤビークルディテクション(後側方警戒支援システム)
・アダプティブドライビングビーム
・ハイビームアシスト
・ドライバーモニタリングシステム
・スマートリヤビューミラー
・フロントサイドビューモニター
といった中身で、多岐に渡ります。
これらの多くの安全装備をひっくるめて、スバルはアイサイトと名付けています。
アイサイトの中のツーリングアシストは、日産のプロパイロットに近い装備です。
ですが単純比較ではプロパイロットに劣ると感じています。
逆に日産には、アイサイトのような総合安全装備に対する名称はありません。
だからと言って日産に安全装備が無いわけではなく、安全装備ひとつずつに個別の名称を付けていますので、最新の日産車ならスバルのアイサイトに匹敵するほど安全装備は充実していると思っていますが・・・。
スバルのアイサイトに対して、ホンダはホンダセンシングがありますので、次はホンダセンシングがどのようなものなのか紹介します。
ホンダセンシングとは?
ホンダセンシングも、スバルアイサイトと同様の総合安全装備の名称です。
その内容は、
・ACC〈アダプティブ・クルーズ・コントロール〉
・LKAS〈車線維持支援システム〉
・衝突軽減ブレーキ〈CMBS〉
・誤発進抑制機能
・歩行者事故低減ステアリング
・路外逸脱抑制機能
・先行車発進お知らせ機能
・標識認識機能
・後方誤発進抑制機能
・オートハイビーム
となっており、こちらも多岐に渡ります。
アイサイトとの違いは、日本語表記で分かりやすいのが挙げられます。
ただ日本語表記ではイマイチ響きが悪いので、ホンダセンシングという名称で呼んでいます。
ホンダセンシングはスバルアイサイトと比較すると、安全装備全般ではやや劣るように見えますが、必要な装備は揃っています。
ホンダセンシングの特徴は、一般道での安全性を重要視して、一般道でもステアリング補助機能が搭載されているのが大きな特徴になります。
ホンダがホンダセンシングなら、トヨタはトヨタセーフティセンスですが、そのトヨタセーフティセンスを最後にプロパイロットとの違いを見ていきたいと思います。
トヨタセーフティセンスとは?
トヨタセーフティセンスも、スバルアイサイトやホンダセンシングと同様のトヨタの総合安全装備の名称です。
その内容は、
・プリクラッシュブレーキアシスト
・自動(被害軽減)ブレーキ
・レーントレーシングアシスト
・レーンディパーチャーアラート
・レーダークルーズコントロール
・オートマチックハイビーム
・アダプティブハイビームシステム
・ロードサインアシスト
・踏み間違い時サポートブレーキ
・誤発進抑制制御機能(前方・後方)
・後方衝突被害軽減サポート
・パーキングサポートブレーキ(後方歩行者)
・先行車発進お知らせ機能
・ブラインドスポットモニター
・統合型走行安定システム
等が代表的な装備です。
トヨタセーフティセンスに該当する装備は他にも多数ありますが、ありとあらゆる安全装備をトヨタセーフティセンスと名付けてまとめています。
逆に日産は上でも説明したとおり、安全装備に関しては個別の名称で個々に分類されており、総合安全装備に対する名称はありません。
この辺りに各自動車メーカーのスタンスの違いが見て取れます。
トヨタは販売車種が多いので、トヨタセーフティセンスに該当する安全装備の内容も多いです。
これだけを見ると、トヨタの安全装備は他メーカーより充実しているように見えます。
ですが中には装備内容が重複するものも存在するので、安全装備ではトヨタが最も充実しているとは一概に言えないのでは?
と思っています。
安全装備は各自動車メーカーが力を入れており、単純な装備面では優劣は付けられないのが現状です。
日産のプロパイロットとアイサイト(スバル)とホンダセンシングとトヨタセーフティセンスの違いまとめ
日産のプロパイロットは自動運転技術の名称です。
それに対しスバルアイサイト、ホンダセーフティセンス、トヨタセーフティセンスは各メーカーの総合安全装備の名称です。
なので、日産プロパイロットと直接比較できる装備ではないのが実際のところです。
逆に日産には総合安全装備に対する名称はありません。
自動運転技術に関しては、日産が国産他社をややリードしているような感じです。(客観的な意見ですが・・・)
一方、安全装備に関しては各メーカーの車種によって異なるので、一概には言えません。
ただ自動ブレーキに関しては、どのメーカーもフロントウィンドウ上部に搭載されたカメラを利用しています。
基本的にカメラはひとつですが、スバルアイサイトはカメラをふたつ搭載したステレオカメラを採用しています。
この差により、自動ブレーキのみに関してはスバルが一歩リードしているような状況になっています。
各社が競合しあって、安全なドライブができる社会になるといいですね。
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